世界一周航空券と個別手配はどっちがいい?|違いと私が個別手配を選んだ理由
2027年4月に夫婦で世界一周に行く「けい」です。
ルートを組み始めると、必ずぶつかる問題があります。「世界一周航空券(RTW)を買うか、航空券を1枚ずつ個別に手配するか」。
前回の記事で週割りルートを作ったとき、私はこう書きました——「世界一周航空券(RTW)とシェンゲン協定は、今回のルートだと相性が悪かった」。この記事では、なぜそう判断したのかも含めて、両者のメリット・デメリット・ルールを整理します。
(内部リンク)世界一周の計画の立て方 → 「世界一周の計画の立て方|季節×優先度で週割りルートに落とす方法」
※アイキャッチはAIで作成したイメージです(ChatGPTで生成)。実在の人物を意図したものではありません。
結論|私たちは個別手配を選びました
私たちは「個別手配」を選びました。理由はシンプルで、今回のルートだと世界一周航空券のルールに合わない部分が多いからです。
ただし、世界一周航空券が悪い選択肢なわけではありません。旅のスタイル次第でどちらが正解かは変わります。 この記事では両方をフラットに比較した上で、私のケースを説明します。
01|世界一周航空券(RTW)とは?
世界一周航空券は、航空アライアンス(航空連合)が提供する「1枚の航空券で地球を一周できる」チケットです。
太平洋と大西洋をそれぞれ1回ずつ横断し、出発地に戻るのが基本ルール。東回りか西回りかを選び、一方向にのみ進みます(逆戻りは不可)。
2026年3月時点で購入可能なのは、以下の2つのアライアンスです。
| アライアンス | 加盟航空会社例 | 料金体系 |
|---|---|---|
| スターアライアンス | ANA、ユナイテッド航空、ルフトハンザ、シンガポール航空など26社 | マイル制(総飛行距離で料金決定) |
| ワンワールド | JAL、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィックなど | 大陸制(訪問大陸数で料金決定) |
スカイチーム(大韓航空、エールフランスなど)は2026年3月時点で現在はRTW提供なしのため、現在選択肢は実質2つです。
02|各アライアンスのルールと料金
スターアライアンス
- 最大区間数: 16区間(地上移動も1区間扱い)
- 途中降機: 2〜15回(同都市1回のみ)
- 最低旅行日数: 10日間(日本出発の場合)
- 日本国内の途中降機: 可能
- 有効期間: 最長1年
| クラス | 29,000マイル以内 | 34,000マイル以内 | 39,000マイル以内 |
|---|---|---|---|
| エコノミー | 358,900円〜 | 422,700円〜 | 494,600円〜 |
| ビジネス | 705,500円〜 | 822,000円〜 | 958,900円〜 |
※航空券代金のみ。燃油サーチャージ・空港税等が別途15〜20万円程度加算されます。
※2026年3月現在での料金
ワンワールド
- 最大区間数: 16区間
- 途中降機: 制限なし(ただし大陸ごとに上限あり。北米6回、その他各大陸4回、アジアの途中降機は2回まで)
- 最低旅行日数: 詳細規則では出発条件で扱いが分かれる
- 日本国内の途中降機: 不可
- 有効期間: 最長1年
| クラス | 3大陸 | 4大陸 | 5大陸 | 6大陸 |
|---|---|---|---|---|
| エコノミー | 368,500円〜 | 390,100円〜 | 460,700円〜 | 533,500円〜 |
| ビジネス | 787,600円〜 | 936,500円〜 | 1,074,300円〜 | 1,173,900円〜 |
※航空券代金のみ。燃油サーチャージ・空港税等が別途加算されます。
※2026年3月現在での料金
なお、ワンワールドには「Oneworld Explorer(大陸制)」と「Global Explorer(距離制・Jetstarなど一部LCCも利用可)」の2種類があります。
重要:ANAのマイルを使った「スターアライアンス世界一周特典航空券」は2025年6月23日で新規発券が終了しました。有償の世界一周航空券は引き続き購入可能です。
03|個別手配とは?
個別手配は、フライトを1区間ずつ自分で検索・購入する方法です。
LCC(格安航空会社)もフルサービスキャリアも自由に組み合わせられます。Google Flights、Skyscanner、Kiwi.comなどの検索ツールを使って比較し、各航空会社のサイトから直接購入するのが一般的です。
よく使う検索ツール
- Google Flights — 価格カレンダーが見やすく、最安日が一目でわかる
- Skyscanner — 「月全体」検索で最安時期を探せる。LCCも網羅
- Kiwi.com — 異なる航空会社を組み合わせた乗り継ぎルートを提案してくれる(ただし自己接続なので遅延時は自己責任)
04|世界一周航空券のメリット・デメリット
メリット
① ビジネス・ファーストクラスに圧倒的にお得に乗れる
これが最大の強みです。個別手配で東京→欧州→北米→東京をビジネスで買うと200万円を超えるルートでも、世界一周航空券なら70〜100万円台+諸費用で実現できます。ファーストクラスの選択肢もあります。
② マイルが高い加算率で貯まる
正規割引運賃扱いなので、マイル加算率が高いです(ビジネスクラスで125%加算の航空会社も)。LCCの個別手配ではほぼゼロなので、大きな差になります。ルート次第でANA SFCやJAL JGCの修行を兼ねることも可能です。
③ ラウンジが使える
ビジネスクラス搭乗者は、アライアンスのビジネスラウンジが利用できます(スターアライアンス約1,000ヶ所、ワンワールド約700ヶ所)。上級会員ならエコノミー搭乗時でもラウンジに入れます。
④ フルサービスキャリアの安心感
遅延・欠航時にアライアンス内で振替対応してもらえます。受託手荷物込み・機内食込み。LCCにありがちな「あとから追加料金」が発生しません。
⑤ ハイシーズンでも料金が変わらない
GW、夏休み、年末年始でも基本運賃は同額。個別手配は繁忙期に2〜3倍に跳ね上がることがあるため、これは大きなメリットです。
デメリット
① 南米が苦手
ワンワールドはかつてのLATAM航空脱退が痛手で、南米域内の移動選択肢が限定的です。スターアライアンスもアビアンカ航空(コロンビア拠点)が南米北部をカバーするものの、ブラジル・アルゼンチン方面は弱め。南米域内はLCCで別途手配するハイブリッド戦略が現実的です。
② 地域ごとに乗れる回数が決まっている
ワンワールドは北米6区間、その他各大陸4区間、アジアの途中降機は2回まで。スターアライアンスは北米5回まで。全体で最大16区間の縛りがあるため、細かく移動する旅程だと足りなくなります。
③ 一区間搭乗できないと以後キャンセルになる可能性あり
もっと怖いのが「1区間でも搭乗しないと、以降の全区間が自動キャンセル」されるリスク。急な体調不良や予定変更が起きた場合、取り返しがつかなくなる可能性があります。
④ 一方通行
東回り or 西回りの一方向のみ。一度出た大陸には原則戻れません(北米⇔南米、欧州⇔アフリカ等の例外あり)。「あの国にもう一度行きたい」には対応できません。
⑤ 燃油サーチャージ・空港諸税が高額になることがある
航空券代は安く見えても、別途25〜30万円加算されることがあります。為替(円安)の影響で変動し、発券時点のレートで確定します。
⑥ アライアンス外の航空会社は使えない
エミレーツなど非加盟の人気航空会社やLCCは利用不可です(カタール航空はワンワールド加盟)。
05|個別手配のメリット・デメリット
メリット
① 自由にルートを組める
これが最大の強みです。東回り/西回りの制約なし、同じ大陸に何度も戻れる、滞在期間も自由。世界一周航空券のような「一方向に進む」「一度出た大陸には原則戻れない」といった制約がありません。
② 時間を使って安い航空券を探せる
長期旅行者は時間に余裕があるので、レイオーバー長めの便(例:中東経由で24時間乗継など)を選んで大幅に安くすることが可能です。中東ハブ経由(ドーハ、ドバイ、イスタンブール)は長距離便でも割安な傾向があります。
③ LCC・フルサービスキャリア・陸路を全部組み合わせられる
エミレーツやエアアジアも含めた全航空会社から選べます。バス・鉄道での国境越えが可能な区間は飛ばなければコスト大幅削減。すべてを自分の判断で組み合わせられる柔軟性があります。
④ プライオリティパスを使えばラウンジにも入れる
世界1,800ヶ所以上の提携ラウンジが利用可能です。ただし航空会社直営ラウンジ(JALサクララウンジ、ANAラウンジ等)には基本的に入れません。入れるのは主に共用ラウンジです。
⑤ 機内持ち込みのみなら荷物紛失リスクが少ない
バックパッカースタイルで7kg前後にまとめられるなら預け荷物不要。ロストバゲージの心配がなく、到着後すぐに動けます。
デメリット
① キャンセル・遅延対応が弱い(最大の弱点)
LCCは欠航時に自社後続便への振替 or 払い戻しのみが原則。他社便への振替はしてくれません。宿泊費・交通費の補償もほぼなし。
さらに重要なのが、個別に買った航空券は別契約扱いということ。前便の遅延で後続の別会社便に乗れなくても、全て自己責任です。世界一周航空券ならアライアンス内で振替してもらえますが、個別手配にはそれがありません。海外旅行保険の航空機遅延補償は必須です。
②LCCは長距離がつらい
シートピッチが狭く、機内食・ブランケット・エンタメはすべて有料 or なし。AirAsia Xなど長距離LCCは8〜10時間のフライトになることもあり、体力の消耗が大きいです。追加料金で足元広い席を買う、ネックピローや防寒着を持参するなどの対策が必要です。
③ 機内持ち込みのみで本当にいけるかは工夫次第
LCCの機内持ち込み制限は航空会社により7〜10kg。長期旅行で7kg以内にするには、衣類圧縮バッグ、固形アメニティ、GaN充電器など徹底的な軽量化が必要です。寒冷地を含むルートでは防寒具の重量が課題になります。
④ 手配の手間が膨大
全フライトを自分で検索・比較・予約。10都市以上なら数十回の検索が必要で、旅行前の準備負荷がかなり大きいです。
⑤ 合計コストが見えにくい
個別に安い航空券を見つけても、手荷物料金・座席指定料・空港アクセス費などを足すと想定より高くなることがあります。
06|比較表で整理
| 比較項目 | 世界一周航空券 | 個別手配 |
|---|---|---|
| 自由度 | △(一方向、区間・大陸制約あり) | ◎(制約なし) |
| 安心感 | ◎(アライアンス内振替あり) | △(全て自己責任) |
| ビジネスクラスのお得さ | ◎(圧倒的に安い) | ×(個別だと非常に高額) |
| マイル | ◎(高加算率) | △(LCC中心だとほぼゼロ) |
| ラウンジ | ◎(航空会社直営ラウンジ) | ○(プライオリティパスで共用ラウンジ) |
| ハイシーズン | ◎(料金変動なし) | △(繁忙期は高騰) |
| エコノミーの総コスト | ○(50〜70万円) | ○〜◎(20〜60万円) |
| 手配の手間 | ○(代理店に相談可) | △(全て自分で検索・予約) |
| ルート変更 | △(手数料+制約あり) | ◎(いつでも変更可) |
| 南米 | △(選択肢が少ない) | ◎(LCC含め自由に選べる) |
| トラブル時 | ◎(アライアンス振替) | △(保険頼み) |
07|旅のスタイル別おすすめ
| あなたの旅スタイル | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| ビジネス/ファーストで快適に周りたい | 世界一周航空券 | 圧倒的にお得。ラウンジ・マイル・振替保証も充実 |
| 予算最優先のバックパッカー | 個別手配(LCC中心) | LCC活用で総額20〜40万円も可能 |
| 快適さとコスパの両立 | ハイブリッド | 大陸間は世界一周航空券、域内はLCC個別手配 |
| ルート未確定・気ままに旅したい | 個別手配 | ルート変更の自由度が圧倒的に高い |
08|私が個別手配を選んだ理由
ここまでフラットに比較してきましたが、私たちは個別手配を選びました。理由を整理します。
理由1:ルートが世界一周航空券のルールに合わない
前回の記事で組んだ週割りルートは、ネパール→タンザニア→欧州→パタゴニア→北米→帰国のように大陸を行ったり来たりする部分があります。世界一周航空券の「一方向に進む」「一度出た大陸には原則戻れない」ルールだと、このルートを組むのが難しいと判明しました。
理由2:16区間では足りない
S/A/B/Cで優先度をつけて絞っても、トレッキングが多い私たちのルートは中間地点での乗り継ぎが多くなります。16区間の上限だと、やりたいことを全部入れるのが厳しくなりました。
理由3:シェンゲン90/180ルールとの相性
欧州に2回に分けて入る計画なので(アルプスの夏と南欧の秋)、世界一周航空券の「一度出た大陸に戻れない」ルールとシェンゲン90/180日ルールの両方を満たすルート設計が非常に困難でした。
(内部リンク)シェンゲン協定 → 「シェンゲン協定と90/180ルール|世界一周の欧州滞在で押さえるポイント」
理由4:長期旅行で時間がある
1年近い旅行なので、乗り継ぎ時間が長い便を選ぶ余裕があります。「明日の朝着く便」ではなく「翌日の夕方着でもいいから安い便」を選べる。この時間的余裕は個別手配のコスト面で大きなアドバンテージです。
理由5:エコノミー中心なので価格差が小さい
世界一周航空券のメリットが最大化されるのはビジネスクラスです。エコノミー中心で行く私たちの場合、個別手配+LCC活用の方がトータルで安くなる可能性が高いと試算しました。
ただし、一部ハイブリッドも検討中
大陸間の長距離移動(例:南米→北米→日本)はフルサービスキャリアを使いたい区間もあります。完全LCCではなく、区間ごとにベストな選択をする「個別手配 × フルサービス/LCC混合」が私たちの方針です。
09|手配に使えるプランニングツール
世界一周航空券を検討する際は、各アライアンスの公式ツールでルート+料金をシミュレーションできます。個別手配を選ぶ場合でも、比較材料として一度試してみることをおすすめします。
スターアライアンス「Book & Fly」
URL: roundtheworld.staralliance.com
- 居住国、搭乗クラス、出発地、旅行開始日、人数を入力
- 都市名をアルファベットで入力(「東京」ではなく「TOKYO」。空港コードでもOK)
- 目的地を地図 or 検索ボックスで追加(追加するたびにルートが地図に表示される)
- 区間数・ストップオーバー数・総マイル数がリアルタイムで表示される
- 運賃+諸税の概算を確認
- 旅程の保存・メール送信・印刷が可能
- そのままクレジットカード(Visa/Mastercard/JCB等)でオンライン予約も可
コツ:直行便 or 1回乗り換えの都市を選ぶと区間数を節約できます。
ワンワールド「Round the World Planner」
URL: oneworld.com →「Round The World」セクションからアクセス
- 「Start New」で旅程作成を開始
- 人数・クラスを選択
- 出発地を「From」に入力(都市名 or 空港コード)
- 目的地を「To」に追加(ドラッグ&ドロップで順序変更も可)
- カレンダーから各区間の出発日を選択
- 「Fare eligibility」でOneworld Explorer(大陸制)とGlobal Explorer(距離制)のどちらが適用されるか確認(両方該当する場合は安い方が表示される)
- オンライン予約 or 旅行代理店で購入
ポイント:必ず両方のアライアンスでシミュレーションしてください。 同じルートでも料金が大きく異なることがあります。
10|ラウンジ問題:プライオリティパスでどこまでカバーできる?
個別手配で気になるのがラウンジアクセスです。整理します。
| 方法 | 利用可能なラウンジ | 条件 |
|---|---|---|
| 世界一周航空券(ビジネスクラス搭乗) | アライアンスの航空会社直営ラウンジ | ビジネスクラス搭乗券を提示 |
| アライアンス上級会員(エコノミー搭乗時) | 同上 | ステータスカード提示 |
| プライオリティパス | 世界1,300ヶ所以上の提携ラウンジ | 会員カード提示 |
注意:航空会社直営ラウンジ(JALサクララウンジ、ANAラウンジ、カタール航空アルムルジャンラウンジ等)はプライオリティパスでは基本的に利用不可。プライオリティパスで入れるのは主に共用ラウンジです。質も航空会社ラウンジとは異なる場合があります。
プライオリティパスは楽天プレミアムカードなどで無料取得可能ですが、2025年以降は年間の利用回数制限が変更されているカードもあるため、最新条件の確認が必要です。
個別手配でも、プライオリティパスがあればそれなりにラウンジは使えます。「航空会社直営の豪華ラウンジに入りたい」なら世界一周航空券のビジネスクラスが圧倒的に有利ですが、「休憩できてWi-Fiとドリンクがあればいい」ならプライオリティパスで十分です。
11|まとめ
- 世界一周航空券はビジネスクラス利用者にとって最強の選択肢。マイル・ラウンジ・振替保証の3拍子が揃っている
- 個別手配は自由度が最大の武器。ただしトラブル時は全て自己責任なので、旅行保険(航空機遅延補償付き)は必須
- エコノミー中心の長期旅行なら、個別手配の方がトータルで安くなる可能性が高い
- 迷ったらまずプランニングツールで世界一周航空券のシミュレーションをしてみるのがおすすめ。自分のルートが16区間に収まるか、料金はいくらになるかを確認してから判断すればいい
- 私たちは「ルートの自由度」と「シェンゲンルールとの両立」を重視して個別手配を選択
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