ルート・航空券

シェンゲン協定と90/180ルール|欧州2回滞在の世界一周日程を公式ツールで検証

ヨーロッパ地図と旅人のイラスト(シェンゲン協定・90/180ルールの解説)
20xxworldodyssey

世界一周のルートを組んでいて、一番頭を悩ませたルールがシェンゲン協定の「90/180ルール」でした。2027年4月に夫婦で世界一周旅行に行く「けい」です。

私たちのルートは、夏のアルプスと冬のノルウェー(オーロラ)の両方を入れたかったため、欧州に2回入る計画になっています。最初に組んだ案は2回の合計が126日で、EU公式の計算ツール(Short-stay calculator)で2回のあいだをどれだけ空ければよいかを確かめる必要がありました。2026年10月に組み直した今の案は、2回合わせて80日です。この記事では、今の日程がなぜ計算なしで済むのかと、最初の案で計算ツールをどう使ったかをまとめます。

※アイキャッチはAIで作成したイメージです(ChatGPTで生成)。実在の人物を意図したものではありません。
※制度は更新されることがあります。最新情報は記事末尾の公式リンクで確認してください。


私たちの欧州滞在計画

日程表のうち、シェンゲン圏に滞在するのは次の2回です。

滞在期間日数滞在国
1回目シェンゲン2027/7/4〜9/867日ギリシャ、ポーランド、チェコ、オーストリア、スロベニア、クロアチア、イタリア、スイス、スペイン
非シェンゲン期間2027/9/8〜2028/1/3約17週モロッコ、タンザニア、ジンバブエ、南アフリカ、ヨルダン、エジプト、サウジアラビア、トルコ
2回目シェンゲン2028/1/3〜1/1513日ノルウェー
合計80日

日数は入国日と出国日を含めて数えています。日程表では各区間の終了日を次の区間の初日にしていて、表の枠(夏66日、ノルウェー12日)より1日ずつ多くなります。

2回を合わせて80日です。どの180日で区切っても90日を超えることはありません。延泊が重なっても、合計で10日までなら同じです。この日程なら、計算ツールを使わなくても日数を足すだけで確かめられます。


90/180ルールの基本

検証のもとになっているルールを短く書きます。

シェンゲン圏での短期滞在は「あらゆる180日の期間内で最大90日」が基本です。数え方は次の3つです。

  • シェンゲン圏全体でひとつに合算する。国を移動しても日数はリセットされない
  • 半年経ってもリセットはされない。どの時点で見ても“直近180日”の滞在日数が90日以内か、で判定される
  • 一般的に、入国日・出国日も滞在日として数える

日本のパスポートは観光など短期滞在なら原則ビザ免除ですが、免除=無制限に滞在できる、ではありません。


最初の案では計算が必要だった

組み直す前の案は、夏77日(2027/6/24〜9/8)と冬49日(2028/1/20〜3/8)の2回で、合計126日でした。合計が90日を超えるため、2回目の滞在中に「直近180日の滞在日数」が90日を超えないかを確かめる必要があり、公式のShort-stay calculatorに日程を入力して検証しました。今の案では要らなくなった計算ですが、合計が90日を超える日程を組む場合には同じ作業が要ります。参考として残します。

検証1: 夏から晩秋まで1回で回る案 → 55日の超過でアウト

シェンゲン計算ツールに145日の連続滞在を入力し、55日の超過滞在と赤字で判定された画面
2027/6/24〜11/15の連続滞在(145日)を入力した結果。91日目以降が超過滞在として赤字で表示された

当初は「晩秋でもオーロラを狙えるなら、欧州を1回にまとめられないか」と考えていました。夏のアルプスから入って、11月中旬まで滞在する案です。これを計算ツールに入れると、滞在日数は145日。結果は赤字で「Overstay in the period from 22/09/27 to 15/11/27 (55 days)」。91日目にあたる9月22日から出国日まで、55日間の超過滞在という判定でした。1回で回る案は、この時点で消えました。

検証2: 分割案・2回目の入国日(2028年1月20日)時点 → 最大90日可

シェンゲン計算ツールで2回目入国日を基準に計算し、最大90日滞在可能と判定された画面
1回目の滞在(77日)を入力し、2028/1/20を基準日にした結果。「最大90日まで滞在可能」と表示された

滞在を2回に分けた案です。1回目の滞在77日を入力したうえで、2回目の入国日を基準日(Date of entry/Control)にして計算すると、結果は「The stay may be authorised for up to: 90 day(s)」。この日からなら最大90日まで滞在できるという判定でした。

意外に思えますが、理由は窓の動き方にあります。入国日時点では、直近180日の中に1回目の滞在が46日分残っています。ただ、滞在を続けるあいだに1回目の日付が1日ずつ窓の外へ出ていくため、新しく増える分と相殺され、結果として90日まで連続滞在できる計算になります。

検証3: 分割案・2回目の出国日(2028年3月8日)時点 → 残り41日で適合

シェンゲン計算ツールに2回の滞在を入力し、出国日時点で残り41日と判定された画面
2回の滞在(77日+49日)をすべて入力し、出国日2028/3/8を基準日にした結果。「あと41日滞在可能」=ルール内

2回の滞在をすべて入力して出国日を基準にすると、「直近180日の起点は2027年9月11日」「あと41日滞在可能」という結果になりました。1回目の滞在(9月8日終了)は窓の外に完全に出ているため、カウントされるのは2回目の49日だけ。41日の余裕を残してルール内に収まっていました。

この検証で、2回のあいだを約19週空ければ90日以内に入ると分かっていました。組み直した案は、スペインとポーランドも夏にまとめ、冬をノルウェーだけにしました。合計が80日になり、この計算そのものが要らなくなりました。


ルートをどう設計したか

欧州を「夏ブロック」と「冬ブロック」の2回に分けたのは、夏のアルプスと冬のオーロラを両方入れたかったからです。2回の合計を90日以内に収めるために、スペインとポーランドは夏にまとめ、冬はノルウェーの13日だけにしました。

ヨーロッパ滞在の日数を守るためにも、予備日の置き方は世界一周の予備日の記事でまとめています。

この欧州2回構成は世界一周航空券の「一度出た大陸に戻れない」ルールとも相性が悪く、個別手配を選んだ理由のひとつにもなりました。


出発前に押さえておく制度

最後に、関係する制度を3つ書いておきます。

シェンゲン圏は、参加国どうしの国境審査をなくした枠組みで、2026年2月時点で29か国(EU加盟25か国+アイスランド・ノルウェー・スイス・リヒテンシュタインの非EU4か国)です。ブルガリアとルーマニアは完全加盟になりました。アイルランドはシェンゲンに入っておらず自前で出入国管理をしていて、キプロスは今のところ圏外です。私たちのルートでは、クロアチア・ギリシャ・ノルウェーもすべてシェンゲン圏としてカウントしています。

EES(出入域システム)は、シェンゲン圏の外部国境で入出国をデジタル記録する仕組みで、欧州委員会は2026年4月10日に全参加国で完全運用になったと発表しています。パスポートのスタンプに代わり顔画像・指紋などが登録されるため、90/180ルールの管理はより厳密になります。

ETIAS(欧州渡航情報認証制度)は、ビザ免除国の渡航者に出発前のオンライン申請を求める制度です(申請料20ユーロ、18歳未満と70歳以上は無料、有効期間3年)。外務省の案内(2026年8月26日更新)では運用開始時期は未定で、現時点では手続きは不要とされています。EUが示していた「2026年第4四半期」の開始予定は公式サイトの表記から消え、2027年にずれ込むという報道もあります。私たちの出発(2027年4月)までに始まる可能性があるため、出発前に公式サイトで確認します。


まとめ

私たちの欧州滞在は67日+13日の合計80日で、90日以内に収まります。最初の案(126日)では計算ツールでの検証が要りましたが、今の案では日数を足すだけで確かめられます。日付が確定したら、延泊で合計が90日を超えないかだけ、予約前にもう一度数えます。


外部リンク

Short-stay calculator(短期滞在計算ツール)

外務省「欧州渡航情報認証制度(ETIAS)」


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ABOUT ME
けい
けい
2027年4月に夫婦で世界一周予定。出発前の準備、費用、制度、航空券比較を公式情報と実際の計画に基づいて記録しています。
はじめまして、けいです。35歳、妻と2人で2027年に仕事をやめて世界一周旅行に出発する予定で、その準備の過程を記録するためにこのブログを始めました。 これまでに私はアジア・ヨーロッパ・南米を中心に12カ国以上を旅してきました。妻もチリ・カンボジア・ハワイなど独自のルートで旅をしており、夫婦2人ではインドネシアのブキットワランのようなツアーでは行きにくい場所も含め、ニュージーランド・オーストラリア・シンガポールなども一緒に旅しています。
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