世界一周のワクチンはタイで何を打つ?日本と分ける候補と費用
2027年4月に夫婦で世界一周旅行に行く「けい」です。
世界一周のワクチン費用は、全部を日本で打つとそれなりの額になります。私たちの試算でも、夫婦2人で20万〜40万円ほどでした(ワクチンの費用・接種スケジュールの記事)。
調べていくうちに、タイ(バンコク)で打つと費用をかなり抑えられそうなワクチンがあると分かりました。最初の目的地はネパールですが、タイから入るルートにすれば、バンコクでワクチンを打ってから旅を始められます。今回は、日本で済ませるものとタイで打つものを分けて考えました。
※アイキャッチはAIで作成したイメージです(ChatGPTで生成)。実在の人物を意図したものではありません。
この記事の注意点
- この記事は、公式の料金・接種情報を調べてまとめたものです。実際に現地で接種した体験記ではありません。
- ワクチンの要否・回数・間隔は、渡航先・旅程・接種歴・持病によって変わります。最終的には渡航外来や医療機関で相談して決めます。
- 記載の費用・在庫・制度は調査時点のものです。為替・価格・取り扱いは変動します。
私たちの方針
旅の序盤にタイへ入ります。「現地に着いた時点で効いていてほしいワクチン」は日本で打ちます。狂犬病(暴露前)と黄熱は出発前に急いで打たなくても計画しやすく、バンコクで打つほうがだいぶ安いです。
この2つをバンコクに回すと、私たちの想定では1人あたり4万〜5万円ほど、夫婦2人で8万〜10万円ほど節約できそうです。
到着時に効いている必要があるものは、日本で打つ
ワクチンは、打ってすぐ効くものではありません。タイやネパールなど旅の序盤で入る地域に関係するワクチンは、出発前に日本で済ませます。タイに入った時点から、すでに現地の感染リスクがあるためです。
到着時から備えておきたいのは次のとおりです。
- A型肝炎(食べ物・水から感染)
- 腸チフス(食べ物・水から感染)
- 日本脳炎(蚊が媒介、タイは流行地域)
- B型肝炎(血液・体液から。0・1・6か月と接種間隔が長いので早めに開始)
バンコクのThai Travel Clinicでは、腸チフスワクチンが現在「在庫切れ」と案内されています。腸チフスは、この点でも日本で済ませておくほうが安心です。
破傷風・ジフテリア・百日咳(Tdap)と麻しん・風しん(MR)は、接種歴を見て足りなければ日本で補うか、バンコクでまとめて打つかを決めます。
麻しんはタイでもリスクがあり、日本でも2026年に報告数が増えています。百日咳も日本で報告数が多いので、足りない分があれば早めに補う考えです。
タイで打ちやすいワクチン
到着直後に効果が出ていなくても予定を組みやすいものは、タイで打つ候補になります。私たちのルートでは、主に狂犬病と黄熱がそれに当てはまりました。
狂犬病(暴露前接種)はWHO推奨の0日・7日の2回で打てる
狂犬病の暴露前接種は、WHOが2018年に、米国のACIP(予防接種の諮問委員会)が2022年に、0日・7日の2回方式(筋肉内接種)を推奨に変えました。それまでの推奨は3回(0・7・21〜28日)でした。タイのトラベルクリニックはこの2回方式で接種しています。一方、日本で承認されている狂犬病ワクチンの添付文書は今も3回(0・7・21日または28日)のままで、東京医科大学病院の案内も3回です。日本で2回方式にしたい場合は、WHO推奨に沿って2回接種を案内しているクリニックを選ぶことになります。
到着した日に1回目、7日目に2回目なので、バンコク滞在中に終えられます。
費用差は大きいです。日本では狂犬病ワクチンが1回16,500円(東京医科大学病院の公開料金)で、添付文書どおり3回なら49,500円、2回方式を案内するクリニックなら33,000円です。Thai Travel Clinic(マヒドン大学・熱帯病病院)の料金表(2026年6月5日更新)では、狂犬病ワクチンは1回353バーツです。手数料(診察・施設・接種・登録)を足しても、2回でおよそ1,400バーツ(約6,700円)です。
注意点もあります。暴露前接種をしても、動物に噛まれた場合の追加処置(暴露後接種)は必要です。暴露前接種をしておくと、免疫グロブリンが不要になったり、接種回数が減ったりします。到着後の最初の1週間は2回目を打ち終えていない状態なので、その間は特に動物に近づかないよう気をつけます。
黄熱は旅の後半(南米・アマゾン方面)に備えて、バンコクで打って証明書を持てる
黄熱は、南米やアフリカの一部地域で感染リスクがある病気です。行き先や経由地によっては、証明書(イエローカード)を求められることがあります。証明書は接種10日後から有効で、その後は生涯有効です。
私たちのルートでは、後半にガラパゴスやアマゾン方面を入れる予定で、黄熱ワクチンの推奨地域を通る可能性があります。バンコクで打っておけば、余裕をもって証明書を用意できます。Thai Travel Clinicでも黄熱ワクチン(Stamaril)は1,376バーツ(約6,700円)で、パスポートを見せれば国際証明書を出してもらえます。
日本では黄熱は指定機関でしか打てず、東京医科大学病院で18,700円(証明書代込み・2026年6月時点)です。
日本とタイのワクチン費用を比較(1人・主要ワクチン)
価格は調査時点の目安です。日本は東京医科大学病院の公開料金(2026年6月1日現在)、バンコクはThai Travel Clinicの料金表(2026年6月5日更新)を参照しました。為替は1バーツ=約4.9円(2026年6月)で換算しました。バンコクでは別途、診察料200バーツ・施設料100バーツ・接種料20バーツ・初回登録料20バーツがかかります。
| ワクチン | 日本(1回) | バンコク(1回) | どこで打つか(私たちの方針) |
|---|---|---|---|
| 狂犬病 | 16,500円 | 353バーツ(約1,700円) | バンコク(0日・7日の2回) |
| 黄熱 | 18,700円 | 1,376バーツ(約6,700円) | バンコク(後半の南米・アマゾン方面に備えて) |
| A型肝炎 | 15,950円 | 1,376バーツ(約6,700円) | 日本(出発前に効かせたい) |
| B型肝炎 | 6,600円 | 304バーツ(約1,500円) | 日本(接種間隔が長く早めに開始) |
| 腸チフス | 9,900円 | 585バーツ(在庫切れの案内あり) | 日本(現地は在庫切れの案内あり) |
| 日本脳炎 | 7,700円 | 445バーツ(約2,200円) | 日本(タイが流行地) |
| Tdap | 11,000円 | 664バーツ(約3,300円) | 日本/タイ(必要なら。費用重視はタイ) |
| 麻しん・風しん(MR) | 13,200円 | 390バーツ(約1,900円) | 日本/タイ(免疫不十分なら早めに) |
| ポリオ | 11,000円 | 410バーツ(約2,000円) | 日本(他のワクチンとまとめて) |
バンコクはかなり安いです。
タイでワクチンを打てるクリニック
候補として見ているのは次の施設です。
- Thai Travel Clinic(マヒドン大学・熱帯病病院):今回の費用比較で参照した施設です。料金表が公開されていて、黄熱の国際証明書にも対応しています。
- BNH病院 国際渡航医学クリニック(ITMC):BNH公式サイトのセンター一覧で確認できる渡航医学クリニックです。予約前に問い合わせます。
- クイーン・サオワバ記念研究所(タイ赤十字スネークファーム):タイ赤十字の公式サイトで、狂犬病やワクチン接種に関するサービスが案内されています。
- 私立総合病院(Bumrungrad、Samitivejなど):予約や当日の相談のしやすさを重視する場合の候補です。Samitivejには公式のワクチン案内ページがあります。Bumrungradは候補にとどめます。
料金表を確認できた範囲では、Thai Travel Clinicとクイーン・サオワバ記念研究所を比較できます。私たちがバンコクで打つ候補にしている狂犬病2回と黄熱1回で見ると、手数料込みではクイーン・サオワバ記念研究所のほうが少し安くなります。
| 施設 | 条件 | 手数料込みの概算 |
|---|---|---|
| Thai Travel Clinic | 狂犬病353バーツ×2回+黄熱1,376バーツ。2回来院、診察料・施設料・接種料・初回登録料込み | 2,762バーツ(約13,500円) |
| クイーン・サオワバ記念研究所 | 狂犬病350バーツ×2回+黄熱1,550バーツ。2回来院、サービス料・初回登録料込み | 2,470バーツ(約12,100円) |
差は292バーツ(約1,400円)です。料金だけならクイーン・サオワバ記念研究所ですが、クイーン・サオワバ記念研究所の料金表は2024年更新です。Thai Travel Clinicは料金表の更新が新しく、渡航医学専門のクリニックとして使いやすい印象があります。まずはThai Travel Clinicを第一候補にして、もう少し安くしたければクイーン・サオワバ記念研究所も見てみます。
黄熱の国際証明書が必要な場合は、証明書に対応している施設かを予約前に確認します。
私たちのプラン
- 日本で打つ:A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、日本脳炎、ポリオ
- バンコクで打つ:狂犬病(到着0日目・7日目の2回)、黄熱(後半の南米・アマゾン方面に備えて)
- 接種歴を見て決める:Tdap、麻しん・風しん(MR)。費用を抑えるならバンコクも選択肢。
概算では、日本側がワクチン代だけで1人あたり約10万円(A型肝炎・B型肝炎・腸チフス・日本脳炎・ポリオなど)、バンコク側が狂犬病2回+黄熱で1人あたり約13,000円。合計は約11万円台です。全部を日本で打つ場合と比べると、1人あたりおよそ4万〜5万円抑えられる見込みです(日本で狂犬病を添付文書どおり3回で打つか、2回方式で打つかで幅が出ます)。
TdapとMRは、この概算には固定で入れていません。接種歴を見て2つとも追加で必要になり、バンコクでまとめて打てる場合は、日本で追加するより1人あたり約19,000円、夫婦2人で約38,000円ほど抑えられます。
日本側には別途、診察料・受診基本料がかかります。母子手帳や英文の接種証明を持っていくと、バンコクでの相談がスムーズです。
2026年10月に夫婦でトラベルクリニックを受診し、日本で打つものとバンコクで打つものが決まりました。受診の記録と、このプランから変わった点は、「世界一周のワクチン、トラベルクリニックで相談してきた|母子手帳を見て決まった接種内容」に書いています。
出典・参考
確認日:2026年6月23日
- CDC「Rabies | Yellow Book」
- CDC ACIP「Rabies Pre-exposure prophylaxis with a 2-dose Schedule」
- Thai Travel Clinic(マヒドン大学・熱帯病病院)「Vaccine Price List」(2026年6月5日更新)
- BNH Hospital「Medical Services Centers」(International Travel Medicine Clinic掲載)
- Thai Red Cross Society「Queen Saovabha Memorial Institute」
- Queen Saovabha Memorial Institute「Immunization and Travel Clinic: Available vaccines in our Clinic」(料金表画像:2024年7月更新)
- Queen Saovabha Memorial Institute「Rabies Immunization Clinic: Available vaccines in our Clinic」(料金表画像:2024年4月更新)
- Samitivej「Vaccinations: Because Your Health is Our Concern」
- Bumrungrad International Hospital 公式サイト
- 東京医科大学病院 渡航者医療センター「各種料金表」
- 厚生労働省検疫所(FORTH)「黄熱に注意しましょう!」
- 国立健康危機管理研究機構「麻しんの発生状況について」
- 国立健康危機管理研究機構 IDWR「注目すべき感染症:百日咳」
- The Lancet Regional Health – Southeast Asia「Accelerating measles and rubella elimination in southeast Asia」(タイ・ミャンマーの麻しん常在)
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